12月3日。
夫の配偶者ビザがおりた。
この瞬間を待ちに待っていたはずなのだけど、
なんだか実感が湧かず、飛び跳ねて喜ぶ気にもなれない。
私たちにとって配偶者ビザがおりたということは、ようやくスタートラインに立てたということ。
それは、まだ何も始まっていないことを意味したからだ。
コロナ禍での入国。
不安要素が多すぎる。
ビザが降りる2日前に、日本国内で初のオミ株患者が出たことを受け、日本到着のすべての国際線の新規予約停止が各航空会社に要請されたというフィリピンばりにぶっ飛んだトンデモニュースを見て、まだビザもおりていないのに慌ててフライトを予約。
動揺して階段から転落しそうになった pic.twitter.com/GPE7Cll2na
— コノミバギオ時々イフガオにいる人 (@knm_pinas) December 1, 2021
ところが政府は国民からの強い反発を受けて(?)翌日、これを撤回。
これには「おい!フィリピンかよ!」と通勤電車の中で叫ぶところだった。
おいおい…。まだビザも降りてないのに昨日急いで予約したわ。
要請の翌日に撤回とかフィリピンかよ😂https://t.co/hibRefEvOJ— コノミバギオ時々イフガオにいる人 (@knm_pinas) December 2, 2021
そんなわけで早々に入国日は決まっていたのだけど、保育園や職場との兼ね合いもあって再会できる日がなかなから決まらず、このところは悶々としながら日本への入国に必要な書類をただひたすらかき集める日々を送っていた。
ようやく全ての書類が整って(私の見落としがなければ)あとは出国を待つのみになったので、
「数日後にフィリピンを去る夫の一週間」とでも題して、この慌ただしい日々を記録がてら残しておこう。
CFOセミナーを受講
日本入国の際にはビザがいるように、フィリピン出国の際にはこのCFOセミナーの修了証がいる。
CFOとは、Committee on Filipinos Overseas の略称で、ネットで調べれば 海外に住むフィリピン人と母国の間の文化的経済的結束をより強化する目的でできた団体 とある(よく分からない)。
CFOはマニラとセブにあって、夫が住むのははるか北のバギオだからこれを受けるためにまた一日かけてマニラに行くのか。。。と思っていたら、
(バギオには在比外国人が沢山いるというのにお役所関係の手続きは大体マニラ・セブに直接行かないといけないのが常にネック)
なんとコロナ禍では オンラインで申し込み → 電話で受講 → 郵便で修了証が送られてくるらしい!ありがてー!!!
と、夫は言っていたけど本当にそれが目的なのかは不明。
パートナーがCFOセミナーを受講した他の方のブログも見ていると、男女関係なく大体20分くらいで終わっている気がしなくもないけど(笑)
以下、夫が聞かれた内容。
・私たち夫婦はどこでどうやって出会ったのか
・私はなぜバギオにいたのか
・夫はなぜタクシーを運転していたのか
・私の両親は二人の結婚について何と言っているのか
・妻の方が年齢が上であることは問題ないのか
最後の質問失礼だな おいw
ていうか完全に担当者の興味本位じゃねーか!
愛車との別れ
長男であり、3人の妹たちのお父さん代わりでもあり、一家の専属ドライバーでもある夫。
その夫が家を出るので、メインの移動手段であった車を売ることになった。
フィリピンに住んだときは、Facebookグループで服や家具を買ったり、賃貸物件を探すのもFacebookグループだったけど、
愛車を売るのもやっぱりFacebookだ。
私自身もたくさんお世話になった車。
夫との外出時はもちろん、2週間に一度の妊婦検診も、子宮筋腫で緊急病院に行ったときも、この車に乗ってたから色んな思い出が詰まっててなんだか寂しいけど、
出国前に買い手が見つかってよかった。
窓は手で引っ張らないと開かないし、助手席のドアは外側からしか開かないし、
エンジンぶっ壊れてるから交差点のど真ん中で動かなくなることはしょっちゅう。
あんなボロボロの車よく売れたな。
Facebookで見つかった買い手を家に招き入れ、現ナマを渡される生々しい瞬間を動画撮影する。
↑この一文にフィリピンが詰まりすぎてて草
アポスティーユを手に入れろ!騒動
出入国の際に必要な書類ばかりに意識がいっていたけど、そういえば住民登録の際に必要な書類ってなんだろう。
市役所に問い合わせた。
公印確認,アポスティーユは,どちらも日本の官公署,自治体等が発行する公文書に対する外務省の証明のことです。外国での各種手続き(婚姻・離婚・出生,査証取得,会社設立,不動産購入など)のために日本の公文書を提出する必要が生じ,その提出先機関から,外務省の証明を取得するよう求められた場合,また日本にある提出先国の大使館・(総)領事館の領事による認証(=領事認証)取得に際して要求された場合に必要になります。よって,外国の提出機関あるいは駐日大使館・(総)領事館が求めている場合のみ申請をして頂くことになります。(引用)外務省公式
簡単にいうと、私たち夫婦の結婚証明書にお偉いさんのハンコが必要なのだ。
よかったー聞いておいて!!!
夫が日本に来てからフィリピンの家族に連絡してやってもらうとなると、かなりめんどくさいことになる。
オフィシャルレシートに続き、これもまたコネでいとも簡単にどうにかなってしまった。
恐るべしフィリピン。
これに限らず、何か壁にぶつかりそうになったとき、私は立ち止まって考え得るリスクを頭に並べては「無理だろうな~」と思ってしまうんだけど
夫はいつだって「OK I’ll try」っていう。
そんな簡単なことじゃないんだよって思うこともあったし、トライしてうまくいかなかったことももちろんあったけど、
夫と一緒になってから結婚、出産、ビザ色々な手続きをしていくなかで、夫がいとも簡単に「やってみるよ」と言える神経がようやく分かってきた。
職場のコネで紛失した書類を再発行してもらえたり、
学生時代にお役所でアルバイトをしていたコネでお偉いさんのハンコがどうにかなったり、
日本では絶対無理ってことも、フィリピンではどうにかなってしまうのだ。
この国で育っていたら、私ももう少し物事に前向きだったのかな~と思う。
夫はこれから、なんとかなる国フィリピンを出て、世界でもトップレベルで融通が利かない国で生活をスタートさせようとしてる。
失望しないといいけど。
いや、失望したときに大丈夫だよ!と言えるくらい、妻である私がドーンと構えいなくっちゃ。
保育園からのお告げ
元々、フィリピンからの入国者は、入国後3日間は検疫所が指定した隔離施設で過ごし、その後14日目までは自宅等で隔離 というルールが設けられていたけど、
私は娘を保育園に預けて毎日通勤しているので、前もって職場と保育園に問い合わせていた。
意外にも職場は、入国直後と3日目のPCRで陰性が出れば、一緒に過ごしても問題ないとのことだった。
保育園からは、いかにも嫌そうな顔をされて(そりゃそうだよね。私が園側でもイヤだw)市役所に相談してみますと言われた。
待っている間に水際対策に関するアップデートがあった。
「オミクロン株の発生により検疫所が指定するホテルが足りないため、フィリピンからの入国者は入国後0日目から自宅等で待機」
厚労省に問い合わせた。
今現在フィリピンからの入国者は、有効なワクチン接種証明書非保持者であっても0日目から自宅隔離。但し日々状況が変わるので直前にもう一度確認するようにとのこと。 https://t.co/K2vmgBUeVh
— コノミ🇵🇭バギオ時々イフガオにいる人 (@knm_pinas) December 13, 2021
これ、普通に再会を待ち望んでいる家族やカップルにとっては嬉しいニュースなんだろうけど。
案の定、私の予想は的中。
これによって、夫は14日間ホテルで待機することが決まった。
検疫所が指定するホテルで隔離する場合、費用は政府負担で、毎日三食の食事も出る。しかも無料の送迎つき。
うちの場合は、最初から自宅に行ってもよいとされているのにホテルに泊まるんだから、言うまでもなく宿泊費、食費、移動費は自己負担だ。
痛すぎる出費。
保育園からの連絡が、夫の来日3日前だったので、休日返上して隔離場所とハイヤーを確保した。
隔離のホテルと移動に使ったハイヤーについては後日また記事にします。
【予告】大晦日に再会する家族
12月16日に入国するので、本来なら12月30日には自宅に帰れるのだけど、
私の仕事の都合で31日に再会することになった。
12月26日 娘の一歳の誕生日に間に合うように入国したいと、何ヶ月も前から言っていた夫。
私たちが会えるのは大晦日だと伝えたら、さぞかししょんぼりするんじゃないかと心配していたけど、そこは、さすがスーパーポジティブ男。
ああ、この人と結婚してよかった。と思う瞬間。
14日間のホテル隔離生活も、日本人の感覚からすると想像するだけで気が滅入りそうだけど
当の本人は、僕の日本語がどこまで通じるかホテルのフロントで試す!と、鼻息を荒くして意気込んでいる。
(追記)
じつはこの記事を書いている間に夫が無事入国しました。
隔離場所に着いたよーとの報告を受けた途端にどっと疲れが出て一気に体の節々が筋肉痛のように痛みだし、口内炎が二つもできて、4時間爆睡した。。
と同時に、少しだけ、もう少しで家族が一緒になれるんだという実感が湧いてきた。
とりあえず今日は、これまで夫の入国を私と一緒に心配、応援、たくさんの助言をしてくれた家族、友人、ツイッタランドの皆様に滅茶苦茶に感謝しながら眠ります。。
心からありがとうございます。そしてようやくスタートラインにたった私たち夫婦をよろしくお願いします。