
2024年1月に、イフガオ・キアンガンで伝統結婚式を挙げた。
ウェディングプランナーがいないので、義母や村の人達の全面協力を得て、企画から当日を迎えるまですべて自分たちで行なった。
まず最初に考えたのは、予算。
キアンガンの伝統結婚式自体が数十年ぶりとのことで、いくらかかるのか、誰にもわかるはずがなかった。
一方で、こんな話も聞いた。
「予算は豚や牛の頭数で調整できる。自分が出せる範囲の頭数にすればいいだけさ」
私たちは、行き帰りの飛行機代、挙式にかかる費用、食費、消耗品すべてを含めた今回の旅の予算を「100万円」に設定した。
根拠はない。完全に感覚で決めた金額だ。
人を呼べば呼ぶほど、動物の頭数を増やせば増やすほど豪華にはできるが、「一生に一度のイベントにそこまでお金をかけなくてよい」という価値観が夫婦でたまたま一致した―――といえば格好がつくのだが、単純にそこまでお金をかけるほどの金銭的余裕がなかったのだ。
せっかくだから、計画段階で作成したスプレッドシート、手元に残った1枚のレシートと支出メモ、わずかな記憶を頼りに、21世紀のイフガオの伝統的結婚式の支出を、備忘録として残しておくことにした。

Contents
渡航前費用(日本円)
国内交通費、保険
・航空券×3人 295,604 yen
・成田空港近辺駐車場 4,620 yen
・ガソリン 7000 yen
・海外旅行保険×3人 9800 yen
引出物 from Japan
・だるま×20 7,483yen
・写真入りコーヒー×30 5,800yen
・SPトークン×8 15,400yen
・両親へのギフト×3 42,000
現地費用(フィリピンペソ)
現地交通費
・12/27 マニラ–バギオ間
レンタカー+ドライバー 10,000php
ガソリン 3,000php
・12/30 バギオ–イフガオ間
レンタカー 6,000php
・1/2 マニラ–イフガオ間(両親)
レンタカー+ドライバー 15,000ペソ
・1/6 イフガオ–マニラ間(家族3人・両親)
レンタカー+ドライバー 15,000ペソ
・その他
トラック ガソリン 2,000php
van(なぐり書きにつき詳細不明) 4,000php
バギオ飲食代
・12/29 我が娘の誕生日会という名目の義親族リユニオンパーティー
@グッドテイスト 14,000php
宿泊費
・ドミトリー(朝食付き)総額 25,500php
【内訳】
家族3人 7泊8日
両親 4泊5日
義家族10名くらい、友人10名くらい
カメラマン3人 それぞれ1泊or2泊
動物 – from groom side
総額 245,000php
(内、自費は80,000php)
【内訳】
牛 60,000php✕1頭(元値75,000⇒値引き)
母豚 30,000php✕2頭
豚 25,000php✕5頭
(内、義母から豚を3頭、ロラから母豚を1頭、スポンサーから牛1頭を献上してもらった)
米、酒、野菜、その他食材等 – from bride side
・米 25㎏×15袋 18,600php
・ライスワイン 20,400php
・野菜 6,500php(バギオ市場にて)
キャベツ 18kg
じゃがいも 60kg
ピーマン 5kg
人参 30kg
玉ねぎ ?kg
にんにく ?kg
・賄い用食材、お菓子、その他(キアンガン市場にて)
7,500php
・賄い用 鶏×2羽 2,800php
・調理用ガス(Gasul)1,000php
薪、消耗品
・薪 3,000php
・消耗品(紙皿、スプーン、ゴミ袋etc.) 2,390php
会場設営+ケータリング
・デコレーション+ケータリング(ディナー2日間、ランチ1日)
52,000php
招待状
・招待状 2,250php
衣装、メイク
・衣装レンタル 3,000php
・メイク・ヘアセット 自分でやったので無料
撮影
・フォトグラファー 19,000php
引出物 from Philippine
・イフガオ木彫り×6(記録なしにつき金額不明)
ご祝儀
祝い金制度(ご祝儀)がフィリピンにも存在することには驚いた。祝い金は渡す・渡さないも金額も自由。渡してくれる人は大体、1,000ペソ~ をその場で財布から出して渡してくれた。
結婚式が終わったとき、4万ペソがゲストからのお祝い金として集まったことを、義母から知らされた。正直、1ペソでもお祝い金をいただくということはまったく頭になかったので、とても驚いた。私たちは、これをオーガナイザーの義母へ渡すことにした。
総括
・予算 100万円
・渡航前費用(引出物含む)38万7,707円
・現地費用 31万2,940php(当時レートで約79万6,430円)
*動物は自費で出した分だけで計算
*ご祝儀は含まない
ところどころ記録が抜けているものも含めると、最終的に、予算100万円のところ実際に使ったのは120-130万円くらいになった。
家族3人、滞在期間11日、行き帰りの航空券(年末年始価格)、メインとなる結婚式費用、レストランでの親族同窓会、レンタカー&ドライバー、ゲスト分のドミトリー代、これら全部込みでこの価格なら、日本の感覚であれば「破格」といえるのではないだろうか。
有難いことに、現地の繋がりのおかげで沢山の人に金銭面でもそれ以外でも助けてもらったことは、いうまでもないけれど。
今後イフガオでの伝統結婚式を予定している方の参考になれば幸いです。