1年3ヶ月の遠距離夫婦生活を乗り越えて、2021年12月16日に無事日本に入国したうちのフィリピン人夫・ダニエルが、先日、外免切替の手続きに行ってきた。
バギオではプロフェッショナルドライバーライセンスを所持し、10年間副業でタクシードライバーをしていた夫は、稀に見る「車&バイクオタク」。
3年前に観光ビザで来日し、群馬県にある「伊香保 おもちゃと人形自動車博物館」を訪れた日には、
と言っていた。(注:当人、もちろんビートルズに会ったことはない)
▼こちらがその時の写真。
今回の来日後も、そのへんに駐車してある車や道を走っている車をみては「ワーオ!ニッサン×××だ~!」「ホンダ×××!クーーール!」といちいち車種を言い当てては歓喜している。おかげで車にまったく興味のない私まで、彼の言う「カッコイイ車」がどれかくらいは分かるようになってきた。
そんな夫が日本で車を運転することは、まさに「悲願」と言える。
ひよっこな私の運転じゃ限られたエリア(主に地元近辺w)にしか行けないし、私としても早く夫にハンドルを握ってほしいと願うばかり。
そんなわけで、二人にとって待ちに待った外免切替なのでした。
外免切替 第一の壁「事前審査」
外国免許を日本の免許に切り替える手続き(以下、『外免切替』)では、申請受付の前に「事前審査」というのがあるらしい。
普通の書類審査なんだけど、まずはそこを突破しないと申請受付にすら進めないということだね。
外免切替は難しいと言うけど、うちから鴻巣免許センターまで片道2時間以上・交通費片道1200円以上。
事前審査は何としても一回で済ませたい!ということで、事前に埼玉県警の運転免許試験課に問い合わせた(外免切替担当と話ができるのは平日午後3〜5時のみ)。
担当者の女性は、電話口で丁寧に案内をしてくれた。
外国人相手の業務なので、事前案内をきっちりしておかないと、あちらも手間がかかってしょうがないのだろう。
当日持ってくるように言われたものはこちら。
(フィリピン人の場合)
・外国免許証&オフィシャルレシート
・翻訳文 ※大使館orJAF発行のもの
・住民票 ※マイナンバー以外すべて(本籍地、在留カードナンバーetc.)記載されているもの
・在留カード
・パスポート ※古いパスポートがある場合はそれも
翻訳文はJAFに依頼
翻訳文は大使館 or JAF(日本自動車連盟)発行のみ有効とのことで、私たちはJAFに依頼することにした。
今はコロナの影響もあって、翻訳依頼は窓口に行かず極力郵送でと明記してある。こちらとしてもわざわざ行かなくていいのでありがたかった。
(フィリピン人の場合)
・翻訳文発行申請書
・外国免許証(裏表のカラーコピー)
・オフィシャルレシート
・発行料金3000円
・返送料500円
これらを簡易書留で送って完了。
書留なので追跡はできるけど、その後の進捗状況が分からないので(知りたければ電話すればいいだろうけど)ソワソワしていると、ちょうど14日目に翻訳文が届いた。
JAFから免許証の翻訳文届いた!書留で発送してからちょうど14日目。 pic.twitter.com/yq4oNT9FKy
— コノミ🇵🇭バギオ時々イフガオにいる人 (@knm_pinas) January 20, 2022
↓翻訳文についての詳細はこちら。
【JAF公式】外国運転免許証の日本語翻訳文について
鴻巣免許センター
早速、平日に仕事を休んで鴻巣免許センターへ同行した。
▼免許取得も目前ということで、ひとまず記念撮影。ピースピース!
と言われていたので、朝4時半に起きて、まだ日が昇る前の5時半には家を出た。
8時半には来るようにと言われて8時に到着する私、日本人の鑑 極度の心配性。
外免切替の窓口を発見する前に
そう言ってトイレの個室に消えてった夫が、一向に出てこない。
7分後にようやく出てきた夫の尻をペチペチと叩きながら急いで外免切替の窓口に行くと、私たちは8番目だった。
そこから1時間以上待って、9:30ぴったりに警察署の人による説明が始まった。
マジか。
なんと、事前審査の枠は、午前中10人のみ。
夫があと3分YouTube見ながらうんこしていたら、休日の4時半起きと交通費5000円が無駄になるところだった。。。セーフ!
重要事項の説明は、すべて日本語で行われた。
見た感じ、9割近くの人が通訳なしで一人で来ている。
警察の人も、簡単な日本語で・大きな声で・はっきりと喋っていたとはいえ、みんなこれ理解してんのかな・・・スゲー。
受付で電話番号の登録があったけど、夫は電話番号を持っていないので配偶者(私)ので受け付けてもらえた。
いざ、事前審査へ
番号札をもらって順番を待つこと30分近く。私たちの番が回ってきた。
番号で呼ばれるなんて、なんだか囚人みたいだね!とか言いながら二人で中に入ると全部で4つくらい机があって、申請者一人に対して警察官一人がついて、事前審査が始まった。
書類の確認だけで30分くらい待った。
両サイドは中国籍と、モンゴル国籍の人で、二人とも通訳なしできていたけど、全然話が通じていなくて、双方かなり苦労していた。
提出書類の確認が終わると、〇×で答えるような簡単なチェックシートを記入して、その後は担当者による質疑応答があった。
これも全て日本語なので私が通訳。
フィリピンで免許を取得したときは、学校に通ったのか、通わなかったのか。
フィリピンでの運転免許試験は、問題はいくつくらいあって、技能試験は校内のみで行われたのか、公道に出たのか。
バイクの試験についても同様に聞かれた。
あとは、なんだったかな。とにかく犯罪者の尋問のように、いろんなことを聞かれた。
審査結果「不受理」
事前審査が終わるのに、全部で一時間弱くらい。
勝利を確信して記念撮影までしたのに、結果はまさかの「書類不備のため不受理」。
説明すると長くなるのでここでは割愛するけど、とりあえず2つの追加書類を課され「また来てください」とのこと。
ちーん。
しかも追加で要求された書類をフィリピンで取得するのに必要な本人確認書類が山ほどあって、これ本人がフィリピンにいても何か月かかるか分からないのに、コロナ禍で気軽に行き来できない今、どうしろっての?
夫は、身内にお小遣いあげてやってもらうと言ってたけど、こういう書類集めがどんなに大変か分かっている身からすると、彼らに任せて到底できるとは思えない。
全部書類揃えてくれた人に一万ペソあげてもいいくらい無理だと思うw
ちなみに、私たちと同じ部屋で事前審査をしていた両サイドの外国人。中国籍の人は二度目で書類通過してて、モンゴル国籍の人は私たちと同じように書類不備で返されてた。
と言われていたけど、いやマジでどんだけ大変か。。。思わずハグしたくなった。
こうやって、毎日毎日行われる書類審査をこれだけ厳しく取り締まっている警察の方々のおかげで日本の交通安全は守られているんだと理解しつつも、外国人として日本で生きていくことの大変さが、ほんの少しだけ垣間見えた気がした。それは、これからいろんなことで嫌と言うほど実感するのだろうけど。楽しみだな~(棒読み)
フィリピンで書類集めて日本に送ってもらうのと、
いっそのこと日本で教習所通って一から取得しなおすのと
どっちがいいか迷うレベル。。
とりあえずしばらくは免許のこと考えたくないので、「いかにも試験受かったかのような書類審査に落ちた人」の画像でも貼っておきます。