フィリピンに住み始めて、これまで様々な文化の違いを目の当たりにしてきました。
-豆腐は飲み物
-正確な住所がない
-インターホンがない
-ゴキブリを素手で掴む
-愛犬は一家の残飯処理班
-親戚の数を把握していない
-お釣りの代わりに飴が返ってくる
-店で高額紙幣を出せば客が怒られる
-ウィンカーを左に点滅させながら右に曲がってくる
これはほんの一部。
国境を越えれば常識が変わるのは当たり前なんだけど、ひとつ食に関することでどうしても気になったことがあって。
それは、なぜフィリピンの食卓ではご飯を大皿に盛るのか?という疑問。
誰も気に留めないような小さなことなんだけど、
日々フィリピンの一般家庭で食事をする中でふと疑問に思ったこのテーマについて、日本人とフィリピン人の見解を含め紐解いていきたいと思います。
Contents
テーマ:なぜ、フィリピン人は食事の際、ご飯を大皿に盛るのか?
今回のテーマについて、これだけだと意味が伝わりにくいのでちょっと解説。
日本では、ご飯は個々の茶碗によそって配膳するのが一般的ですね。
▼日本の食卓
一方で、フィリピンではご飯を個々の茶碗/皿によそわず一旦大皿に移して食卓の真ん中に置き、それから個々の皿に取り分けるのがスタンダード。
▼フィリピンの食卓例
毎週のように彼の家に遊びに行っていた時期、いつものようにご飯の支度をしていると、ふとこんな疑問が浮かびました。
どうせ数分しないうちに取り分けるご飯を、なぜ一旦大皿によそうんだろう?
炊飯器→個人 じゃダメなの?
個人的にはこの「一旦大皿によそうシステム」、洗い物は増えるしご飯はカピカピになるしで好きじゃなくて。
とはいうものの、大体どの家庭でもその方式が採用されていたんですよね。これは単なる家庭内の事情ではなくフィリピンの文化が関わっているのでは?
そう思って色々な人に見解を聞いてみると、日本人・フィリピン人から様々な意見が寄せられて意外に面白い結果になったのでシェアします。
日本人の見解
こういう議論のとき頼りになるのはツイッタランドの皆様。(いつもお世話になっておりますw)
Twitterでつぶやくと、意外にもこの件で悶々としている日本人が私の他にもいらっしゃいました。
理解できないフィリピン文化シリーズ
ご飯を一度大皿に盛ってから取り分ける。大皿に移して数秒後に取り分ける場合でも、一度は大皿へ。
洗い物増えるから炊飯器から各自の皿に取り分けちゃダメ?…ダメらしい😇
みんなで分けよう精神の表れなのかな pic.twitter.com/D9XhXoQc6V
— コノミバギオ時々イフガオにいる人 (@knm_pinas) December 11, 2019
フィリピン流はデメリットだらけ?
>皿に出してしまったご飯は戻せないし
>出してある間ハエはとまるし
頷きすぎて首もげた。日本人の感覚はやはり共通のようです。
フィリピンの一般家庭では家電は高級品。電子レンジがない家も多いので、余ったご飯やおかずを冷蔵庫にいれず常温保存します。で、大皿に大量によそっても結局食べきらずに残すからフタをして翌日まで放置。
まあ、うち(彼と二人暮らし)はもはや一回出したお米も炊飯器に戻してるけど(笑)
熱い米こそ正義
>冷めちゃうじゃんと。
同意。せっかく熱々のお米が、おかわりする頃には冷めてるのよ。。
炊飯器にいれておけばよいものを・・・!
仮説1:フィリピン人の分け合い精神である説
>残りの量をみながら自分のオカワリの加減をする
フィリピン人の助け合い・分け合い精神の表れなんじゃないか、説。
なるほど、それはあるかもしれません。新しい視点!
仮説2:フィリピン人猫舌説
賛同派もいらっしゃいました!
ここで浮上した、フィリピン人猫舌説・・・!
自分は猫舌じゃないのでまったくこのような考えに及ばなかったですね。
真相はいかに?フィリピン人に聞いてみた
この件について直接フィリピン人にも聞いてみました。
フィリピン人Aさんの見解:「好きなだけ食べてね」のサイン
全員のお腹のコンディションなんかわからないから、こうすればみんな好きなだけよそって食べられる!と、嬉しそうに説明してくれました。
フィリピン、家族多いしね。
フィリピンでは人に会うと挨拶代わりに「Kumain ka na?(クマインカナ?=ご飯食べた?)」と聞く習慣があります。また、食事中に知り合いを見かけると「Kain tayo!(カイン タヨ!=一緒に食べよう!)」と食事に誘うことも。
それほどフィリピン人にとって「食」は人と人とを繋ぐ大切なこと。
ゲストのための優しさだったのか~。
話が脱線しますが、私は未だに彼の家に行って「おかわり!」が言えず夜空腹で寝られないことがしばしばあります(笑)言っていいとは思いつつもなかなか言えないジャパニーズな私w
うちのアパートの隣に住んでる女の子は、たまに食事に招くと気持ちの良いほどガツガツおかわりします。いっぱい食べてくれるとこっちも嬉しい。
フィリピン人Bさんの見解:ケチだと思われたくない
これもゲストがいる前提の話。ケチだと思われないための対策らしい。
彼女曰く、食事が終わるまで大皿のご飯は切らさない のがポリシー。
ご飯を切らさないように、神経とがらせながら食べているんですね。
フィリピン人Cさんの見解:炊飯器までの移動が面倒
米が命のフィリピン人。米の消費量は半端じゃない。
私が彼の家族に日本のカレーを振舞ったときも、私が カレー:米 5:5 だったのに対して フィリピン人家族は カレー:米 3:7 だったのを思い出しました。カレーをちょっとずつ米につけて食べてるイメージ。
全員がお米をおかわりする、が前提らしい。
うちも日本の実家は人数が多いから、誰かがおかわりするたびに炊飯器の横に座っている人(主に母)の食事の手が止まってますね。
フィリピン人Dさんの見解:熱々のご飯を冷ますため
フィリピン人猫舌説、有力・・・!
これには彼もうんうんと頷いてた。この人も、熱いご飯を冷たくなるまでフーフーして食べるか、冷めるまで待っている人です。
たしかに食堂に行くと熱々のご飯を手でパタパタと仰いでる人や、フーフーしてる人多い気がする。。
まとめ
以上、フィリピン人 なぜご飯を大皿に盛る?についての真相究明でした。
・個人が好きなだけよそって食べるため
・ケチだと思われたくないから
・フィリピン人猫舌説
・炊飯器まで歩く手間を削減
フィリピンのおもてなし文化との結びつきが見えてきました。
ケチだと思われても、イチイチ炊飯器まで歩かなきゃいけなくても、私は熱々のご飯が食べたいけどな~
インタビューしたフィリピン人全員に言われたのが「そんなこと考えたこともないよ(笑)変な質問だねw」でした。正論!
と言いつつ丁寧に答えてくれるフィリピーノ。
ご協力ありがとうございました!