バギオに新しく開校予定の自動車教習所にオープニングスタッフのドライビングインストラクター(教官)として採用されたフィリピン人夫の職場がヤバヤバのヤバなので誰か聞いてください。
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ヤバポイント その1 いつまで経ってもオープンしない
初めてこの会話をしたのが3月中旬のことだった。
それから5か月が経過した8月下旬、ようやく夫の就労が開始。
ただ、未だに教習所はオープンしていない。
どういうこと?と思ったそこのあなた。その感覚、正しいです。
バギオでは最近、「運転免許の取得には自動車教習所の卒業が必須」という新たな条例が制定されたそうだ。
これまでは、教習所に通わなくても試験さえパスすれば運転免許を取得し公道を走ることができた。
私が知っているバギオピーポーは、全員例外なく、教習所には通わず家族や友達に路上で運転スキルを学んで運転免許試験に挑んでいる。もちろん、その方が安く済むからだ。
運転歴10年目の夫も、最初は元ジプニードライバーのお義父さんに運転を伝授してもらったというし、夫自身も友達に運転を教えたりしている。
夫曰く、バギオの運転免許試験はこの辺りではとくに厳しく、バギオで何度も試験に落ちた末、比較的受かりやすいラ・ウニオン州に行って一発合格で運転免許を取得した友人もいたとかいなかったとか。(いくらバギオの交通ルールが厳しくても、他州の水準で免許を取得した人がバギオで運転するから交通事故が起こる)
そんなバギオで「運転免許の取得には自動車教習所の卒業が必須」なんてルールが新たにできたもんだから、起業家たちがこれは儲けのチャンスと目を付けて、今年に入って教習所が乱立しているらしいのだ。
夫が求人に応募したのは、その数ある教習所の内のひとつ。
3月中旬に求人に応募してから就労開始まで、実に5ヶ月。
こんなに時間がかかった経緯はこうだった。
●4月上旬:面接・筆記試験
●4月中旬:職場は未完成
●5月上旬:書類準備
●5月中旬:オープン準備
●5月下旬:書類準備(再)
●6月上旬:音信不通
●6月中旬:採用
夫がいつも見返りを求めず他人を助けるところは本当に見習うべきと思っているけど、たまに行き過ぎだと思うこともある。。その辺はとりあえず見守るスタンスだけど、労力の安売り(タダ売り)と思ってしまう私は、ティピカルジャパニーズだね。
ヤバポイント その2 初めての仕事「土地探し」
夫が正式に採用されてから初めてもらった仕事は、技能講習の際にコースとして使われる「土地探し」だった。
教習所は街の中心地にあるビルの一室であるため、周りに技能講習ができるようなコースはない。
そのコースとなる土地を探してこい、という上司からのむちゃぶりとも言える指令。
いや…ティピカルジャパニーズからすれば、そんな責任重大なことを新入社員にやらせていいわけ?
夕方、グラウンド借りれなかったよ~ と落ち込んで帰ってきたけど、そりゃそーだろよくトライしたな(笑)
ヤバポイント その3 教官 兼 経理 兼 総務人事 兼…?
既述のとおり、夫はドライビングインストラクターとして採用された。
ところが実際の業務は多岐に渡るものだった。
ある時は、教習所が開校の認定を受けるためにLTO(Land Transportation Office:陸運局)に行った。
教習所に通わなければいけないという急に制定された新しい条例にてんやわんやしているのは教習所側だけではなくLTOも一緒のようで、あっちに行けば「知らない、向こうに行け」、こっちに行けば「ココじゃない、向こうに行け」で、LTOと会社の間で板挟み状態の夫。
またある時は、companyのtaxをpayするために税務署に行っていた。
最近ではパソコンでスタッフ募集の広告を作り、自分のFacebookアカウントを駆使してせっせと採用活動に励んでいる。
Facebookの月間アクティブユーザーが7500万人を超えるとも言われるフィリピンでは、こういうときみんなでガンガンシェアしまくってくれるので効率よく拡散できる。
土地探しに人探しにすべて社用でなく個人アカウントでやっちゃうのも、ヤバヤバのヤバ。
さっき電話したときは、採用担当者が風邪で休んでいるので自分が面接を担当したと言っていた。
まったくの未経験分野のタスクを当日にいきなりぶん投げられて、そつなくこなしてしまうその勇気はもはや尊敬の域。フィリピン人ってみんなこうなの?(笑)
教習所がオープンするのに所定の手続きが必要なのは言うまでもないけれど、
上司から「▲▲のオフィスに行って、〇〇と知り合いだと伝えて。そうすればきっと手続きをスキップできるから」と言われたときは、さすがにそれは出来ないと断ったらしい。
フィリピンではコネとカネが必須。
ヤバポイント その4 車を取りに三千里
先月。早朝6時に夫からメッセージ。
教習に使う車はマニラからのお取り寄せらしく、それをインストラクターの夫が取りに行くというのだ。
行きは長距離バスで、新しく開通したバギオ⇔マニラの高速を使って片道4時間かけてマニラまで行き、帰りは受け取った車を運転してバギオまで帰る。
さすがにここまでやらせるならボーナスつけてくれ。と、妻が大声で申しております。
ヤバポイント その5 秘書が会社の金を横領して解雇
教習所のオープンも間近に迫った(?)ある日。
いつも夫と一緒に行動していた秘書が会社の金を横領したというニュースが飛び込んできた。
ファミリーエマージャンシーで使ってしまったらしい。。
その後、秘書は出勤してこなくなり、間もなく新しい秘書が雇われた。
ヤバポイント その6 やっぱりいつまで経ってもオープンしない
●7月下旬:制服が届く
3月にオープニングスタッフとして採用され、もう今年も終わりに近づいている。
年内来日見込みの夫は、新しい職場でメンバーに恵まれ、また幅広いタスクを任せてもらえる環境に感謝しながら、毎日楽しくせっせと働いている。
ビデオ越しにでも充実した日々を送る夫を見られるのは、やっぱり嬉しい。
最近、私のことを日本語で「妻(ツマ)」と呼ぶ。
決意は変わらないって…来日の決意ってこと?
いや感動のワンシーンみたいに言ってるけど、、、ったりめーだろこのタイミングでそんな理由で心変わりされたらびっくりだわ!(笑)
社員第一号としてここまで献身的に準備に関わっているので、まだ夫が在籍しているうちに、無事オープンしてほしい。
ちなみに夫曰く「来週中には」オープン予定。
現場からは以上です。