「日本語のできない外国人パートナーが日本で仕事を獲得できるか不安」
配偶者ビザがおりて再会の目処がたったはいいけど、幸せに浸る余裕もなく不安な毎日を送っている日本人妻が今世界にどれくらいいるだろう。
まだ結婚してないけど将来は配偶者と日本で暮らそうかな~と考えている人も然り。
我が家の場合も同様で、ネットで調べてもJLPT資格なしのフィリピン人向け就職情報なんてほんの一握りもなく
えーいダメだったらその時考えよう!と、完全なる見切り発車だった。
これから書く記事が、その時の私に用意されていたらよかったな~、と思うから
少しでも同じ境遇にいる方の参考になればいいなという思いでシェアします。
とくに面白いことは書いていないので、興味ない人は一番下の【余談】フィリピン人夫の爆笑面接 まで躊躇なくお進みいただけると幸いです。
Contents
WEBでの求人応募で撃沈
前提として、夫は専ら教える系の人です。
<フィリピン人夫の職歴@フィリピン>
・中高教師(専攻は社会科)
・英会話講師(語学学校/対面&オンライン)
・自動車学校指導員/マネージャー
フィリピンでは教員という職業の地位が低いそうだけど、それでも教員という仕事を愛している夫。
日本にきたらどんな仕事でもやると公言していたけど、本心はALTの仕事を希望。
配偶者ビザの結果待ちをしているとき、とりあえず何かできることをと思い
GaijinPot や Daijob.com などの大手外国人向け就職サイトに登録。
ALTを中心に求人情報をチェックした。
ここでのネックは募集要項に「今現在、日本在住であること」と明記してあることだった。
それでもインタビューまでこぎ着ければ交渉の余地あるかも…!とダメ元で応募したけど、返信はほぼなかった。
ALT派遣で有名なInteracからは
「群馬、岐阜、広島なら空いてます」
と言われ、我が家は娘が保育園に通っていることもあり引っ越しという選択肢はないので断念。
ALTとして日本で働く知人に聞いた話だと、ALT職は争奪戦だそうで
派遣業者に登録した場合、ほとんど勤務地は選ぶ余地がないので片道1.5~2時間かけて通うこともあり、
基本的には一年契約なので一年ごとに勤務地が変わるらしい。
20~30年前は、フィリピン人講師だと保護者からクレームがきたと話している人もいた。そのへんは今ではどうだろう?
実際にALTの仕事に複数応募してみて、企業によるフィリピン人差別はそんなに感じなかったけど、フィリピン留学でも発音がどうとかってバカにされるくらいだから、まあ気にする保護者はいるだろうな。
応募資格に「英語ネイティブレベル」と明記してある。
ネイティブって、フィリピン人NGとか言われるんじゃ?と思って問い合わせると
国籍による区別はなく、ネイティブレベルであれば応募できるという答えがほとんどだった。
知人の紹介で、初めての面接へ
日本に限らず、外国人として他の国で働くときにはコネ/ツテも大事だな~と思った。
今回、身内のツテで、ミャンマー人が留学生時代にアルバイトをしていた飲食店が募集していると教えてもらい、
アクセス面で不便だな~とは思いつつも、もしかしたら思いがけない縁があるかもしれないと応募することに。
これが、夫にとって日本での初めての面接になった。
まだ日本に来て一ケ月。コロナ禍で自宅にこもりっぱなしで電車の乗り方も分からないので、私が同行した。
詳細は端折るけど、最初から店長?みたいな人がやたら感じ悪いなーと感じてはいたものの
日本語の読み書きができないと分かった途端に対応が激変。5分も絶たずに終わらされ、非常に後味の悪い回だった。
日本人の私にはペコペコしていたけど。
外国人として日本で生きていく上で、こういうこともあるよね~と思い知る良い機会になった。
当の本人は、「初めての面接だったからあの対応が冷たかったのかどうかも分からなかったよ」と、あっけらかんとしていたけど。
でも今思えば面接に妻が付いてきたら大丈夫?ってなるよね(笑)
過保護な妻でーすw
地域のALTに応募
飲食店での面接の数日後、自治体のウェブサイト経由でALTの求人に応募した。
自治体で採用されて地域の小中学校で働くALTは、基本的に4月から一年間の契約なので、その前の1~2月頃に募集がかかるっぽいんだけど、
私たちは気が付くのが遅かったので2月下旬に慌てて調べたときにはもうどこも締め切っていて、奇跡的に選考を受けられたのは一つの自治体だけだった。
「〇〇市 ALT 求人」でひとつずつ地道に検索して、ヒットしたら電話で直接問い合わせるという、アナログだけど確実な方法。
一年単位の雇用契約。
令和3年度は10名がALTとして勤務していて、今勤務している10名と、夫含む新な10数名の応募者で、令和4年度のALTが選抜されるという仕組み。
待遇はめちゃくちゃいい。
正直、私は書類選考でダメかな~と思っていたので結果待ちということをすっかり忘れて他の会社に応募したりしていたんだけど、それがまさかの通過!
必要書類を聞いたときに
と言われて、出し惜しみなく履歴書・職務経歴書・大学の卒業証明書・教員免許証明書を提出したのがよかったのかも。
大雪の中挑んだ面接ではかなり手ごたえを感じていた夫の話を聞いて、私もだんだんイケる気がしてきて結果を楽しみに待っていたら、まあこれは落ちた。
来年に期待!
すがる思いで行ったハローワーク
ようやく日本での生活をスタートさせた夫。
しばらくは家族でゆっくりしたいという思いはもちろんあったけど、どうしてもモタモタしていられない理由があった。
それは、三ヶ月以内に夫が仕事を獲得できなければ強制退園になるという、保育園ルール。
ウェブでの求人検索も、知り合いのツテも絶たれたので、すがる思いで地元のハローワークへ行った。
外国人のハローワーク利用についてもほとんどネット上に情報がなく不安しかない。
これがダメなら県内のフィリピン料理屋とサリサリストアを回ってそこにいるフィリピン人と仲良くなって情報集めるつもりでいた。
事前にハローワークに電話して、外国人でも仕事を紹介してもらえるかどうか聞いてみたら、ごく当たり前のような感じで「できますよ~」と言われた。
持ち物は在留カードのみ。
日本語は初歩レベルだけど問題ないかと聞くと、「翻訳機能もありますので一人で来たとしても問題ないですよ」とのこと。
翻訳機能がどの程度のものかは分からないけど、当然のように外国人対応してくれると言われておどろいた。
以前ハローワークを使ったことがあるけど、ハローワークは担当者の裁量によるところが大きいと感じる。
こちらの家庭状況や就労条件を的確にまとめてテキパキと提案してくれる人もいれば、なんだかフワフワしていて話が通じず時間を無駄にする場合もある。
んだけど、今回はすごくいい人に巡り合えた。
まず私たちの状況と、保育園ルールによりすぐに就労したい旨を伝える。
ちなみに現在の夫の日本語レベルは、ひらがな読み書き〇、カタカナ読み〇書き△、漢字読み書き×、日常会話△ 程度。
そこまで話すと担当者のHさんがいくつか助言をくれた。
・初歩的な日本語ができれば、職種は限られるが仕事はある
・運転免許があって、漢字の読み書きができれば仕事はバンバンある
・工場の流れ作業などは日本語不要と思われがちだが、日本語で書かれた説明マニュアルを読んで理解しなければいけないので意外と断られることも多い
「仕事はありますから安心してくださいね」
まだ決まってもいないのに、その一言にすごく救われた。
さらに運転免許と漢字の読み書きができれば仕事はバンバンありますと断言された。
外免切替は、この間挫折したばっかり。
やっぱりあるといいなあ、免許。どうにかするか(白目)
さて、凄腕のHさん、30分たたないうちに2社の面接と1社の書類審査を取り付けてくれて今回は終了。
最後に、新宿にハローワークが管轄している東京外国人雇用サービスセンターというのがあるのでそこもオススメですよと教えてもらった。
今後、なにかあれば行ってみようと思う。↓
ハローワークを使うメリット
外国人の就活でハローワークを使うメリットとしては、
気になる求人があればその場で企業に電話して外国人でも応募できるかどうか問い合わせたり、
こちらの日本語レベルをあらかじめ企業側に伝えてくれたりするので効率が良いこと。
とくに私の場合、応募ボタンをポチる前に自分の中で延々と悩み負のループに陥り時間を無駄にするタイプの人間なので、めちゃくちゃありがたい。
企業側も、ハローワークが相手だとしっかりと対応してくれる。
まとめ
JLPT資格なしフィリピン人夫の就活まとめ:
・ビザ取得前の就活は厳しい
・ALT職は、自治体の求人がおすすめ(1~3月)
・ハローワークおすすめ(担当者の裁量による)
・来日後であれば、日本語ができない外国人にも仕事はある
・運転免許があって漢字の読み書きができれば仕事はもっとある
・いずれにせよ日本人配偶者の全面的な協力が必須
・日本に来る前に最低限の日本語(平仮名・カタカナ・日常会話)を身につけておくと◎
実際に外国人の就職活動を覗いてみて分かったことは、
「日本語ができない外国人にも仕事はある」。
とくにコロナ禍で留学生の来日が断たれた今、
これまで留学生のポジションだった仕事は求人が多く出ている。
配偶者ビザなら就労期間に制限がないので、そういう意味では企業的にもバンザイなんじゃないかな。
【余談】フィリピン人夫の爆笑面接
結局、ハローワークで紹介されたところに就職が決まった夫。
全部で3社応募したけど、選ぶ余裕なく最初にご縁があったところに決めてしまった。
日本語力は最低限しか問われない職場で、私も行って良いとのことだったので面接に同行したんだけど、
担当者が気さくな方で日本人の私とばかり喋るので心配になり
的なノリで唐突に夫へのカジュアル面接(?)が始まった。
普段ならなんの問題もないレベルの初歩的な会話なのに、突然始まった面接にこちらも笑ってしまうくらい動揺する夫。
(なんでいきなり新潟の食べ物聞くんだ?)
じゃあ、「きらい」な食べ物はなんですか?
(辛い食べ物はって、変な質問だなあ)
(もしかしてちょっと変わってる人?)
「新潟の食べ物」で頭が真っ白になったらしく、その後も撃沈していました。
この程度でも仕事あります!(笑)