「お義母さん、私、イフガオで traditional wedding がしたいです」
軽々しく私が言い放ったその台詞に、
–
他人の結婚式では新婦入場の瞬間から涙を流す私だが、
だから、物心ついた時から結婚式をするのが夢だったという人の気持ちも、一年も前から準備して細部までこだわった結婚式を創り上げている人の気持
日本で結婚式を挙げる場合の相場については今もよく知らないが、
私たちはというと、
私たち夫婦の「結婚」を振り返ると、あまりに「作業的」だった。
2020年、私がバギオに滞在していた頃に結婚の手続きをする予定が、
お互いが離れて暮らしながら、結婚手続きをすることとなった。
国際結婚の場合、双方の国で書類上の手続きをする必要があるが、
ようやく日本の役所で婚姻届を提出したのは、
その半年後にフィリピンで婚姻届が受理され、
結婚記念日というのは夫婦の思い入れのある日に設定するものらし
そんな、
事の始まりは、
パッと見で100人は優に超える数の村人が、長い列をなしている様子を撮影したその写真は、コロナ禍のバギオで、月に一度配られる食糧を受け取りに行ったときと似ていて、懐かしくもあった。
ダニエル「これ、イフガオの結婚式だよ」
コノミ「これが結婚式?」
ダニエル「村人が watwat を求めて並んでるんだよ。イフガオの結婚式は自由参加。
*watwat(ワットワット)…葬式や結婚式などの儀式の際に人々に無料で振る舞われる料理のこと)
コノミ「どんな料理?」
ダニエル「豚だよ。豚の頭数がコミュニティでの階層を表す。富裕層は豚じゃなくカラバオだったりね」
コノミ「うちの近所でやってたお葬式と同じだね。豚一頭って一体いくらするの?」
ダニエル「25K〜30Kペソかな。新郎側の家族は、
コノミ「すごい」
ダニエル「バギーニでこのスタイルの結婚式が行われたのは、
夫と出逢ったときも、「おもしろそう」
夫があのときFacebook上の一枚の写真をうっかり私に見せ
数日後、義母といつものようにビデオコールをしていたときに、
「お義母さん、私、イフガオで traditional wedding がしたいです」
軽々しく私が言い放ったその台詞に、
だが義母は、
電話を切ったあと、私は夫に言う。
コノミ「お義母さん、お金のこと心配だよね。
ダニエル「I think so.」
このとき私達は、
続
−
山岳地帯では、こんな言い伝えがある。
“If you see the smoke and hear the beating of gongs, then you are invited to the party”.
煙が見え、鐘の音が聞こえたら、
明日の朝のフライトで、イフガオに行ってきます!