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8/8-16 バギオ旅行記② 2025 夏の備忘録

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8月のバギオの朝。

東南アジアにありがちな「ムワッ」とした暑さはなく、気温は17℃前後。ほどよい冷え込みが心地良い。

そのひんやりと澄んだ空気に包まれて、テラスから霧を眺めながら飲むコーヒーは格別だ。

ここでは時間の流れが不思議に感じられる。ゆったりしているはずなのに、あっという間に一日が過ぎてしまう。

気がつけば旅も半分。9日間の滞在は折り返しに入った。

8/13 6日目 〜友人との再会、元バイト先、市場デート〜

REBEL―友人との再会

朝、カフェで友人と会う約束があった。
待ち合わせ時間は「9時半〜10時のあいだ」。

9時50分くらいにつけばいいかと思ってのんびり支度をしていたら、夫に「それじゃ間に合わない」と急かされた。

夫的には、9時半〜10時の間といったら「9時半過ぎ」には着いておくものらしい。

フィリピン人同士ではたまにある、「◯時〜◯時のあいだ」という時間設定。

「9時半」と言われたら9時半ジャスト、あるいは少し前に着くのに、「9時半〜10時の間」と言われると、逆に戸惑ってしまうのが日本人の私。笑

バギオ大聖堂正面にあるカフェ「REBEL」で、彼女に会うことができた。

夫が一時働いていた英会話スクールの元同僚だ。最近うまれた子どもとも、ついに会うことができた。

バタークロワッサン P90 が絶品。
観光客価格だが満足感あり。頼んだパンは全部外れなく美味しかった。コーヒーが微妙だったのが残念。

バギオ大聖堂

彼女と別れたあと、せっかくなのでバギオ大聖堂に立ち寄った。外から建物を眺めたことはあったけれど、中に入るのは初めて。

入口の両脇には小さな窪みがあり、水が入っている。指先で水をすくって十字を切ってから入るんだと、夫に教えてもらった。

平日の朝だというのに、人の出入りは絶えない。
中では静かに祈りを捧げる人々がいて、凛とした空気が漂っていた。普段どこへ行っても落ち着きのない娘も「神様がいる大切なところだから静かにしないといけないよ」と一度伝えると、幼いながらにその神聖な空気を感じ取ったのか、外に出るまで静かにしていた。

夫に勧められて、私と娘も椅子に腰かけてみる。足元にある台は足を置くものではなく、膝まずいて祈るためのものだと、隣で夫が娘に教えていた。しらないことばかりで勉強になる。

目を閉じると、不思議と気持ちが穏やかになった。
ここでは、日々多くの人が心を救われているのだろう。

元バイト先

大聖堂を後にして、夫の思いつきでバギオ市役所へ向かった。

夫は学生時代、ここで窓拭きや資料整理などの雑務アルバイトをしていたことがある。もう10年以上前のことだが、そのとき一緒に働いていた人たちはまだみんな在籍していて、たまに顔を出すと夫のことを息子のように可愛がってくれる。
私は皆さんに会うのは今回が2度目。娘を連れて行くのは初めてだ。

仕事中の人たちにアポなしで会いに行くのにも、もう驚かなくなった。行ってみて会えなければそれまで。忙しければ「忙しい」と言われる。お互いに気を遣わない距離感。

手土産にミスドの大箱を2つ買って、タクシーで市役所へ。
立派な建物の正面では、今日も地元の人たちが記念撮影をしている。

夫が働いていた Legal Office(法務課) に入ると、変わらない顔ぶれが驚きとともに迎えてくれた。勤務中にもかかわらず、「中に入りなさい」と手招きしてくれ、コーヒーまで出してくれる歓迎ぶり。

フィリピンで久しぶりに人と会うと、お決まりのように「(子どもは)一人だけ?」「二人目はどこ?」と(嫌味なく)聞かれるのだが、今回も例外ではない。
日本人が会話の始まりに「今日も暑いですね」と言うくらいの軽いノリで「二人目は?」と聞かれるのだ。この旅行中だけでも言われすぎて、もう慣れっこになった。
こちらもお決まりのセリフ “Coming soon!” で返すとウケる。

6年ぶりの再会に話は尽きず、気づけば30分以上も滞在していた。

夫はここの課長のことが大好きで、以前からよく彼の話をしていた。帰り道でも「I really like him. 彼にインスパイアされて〜」と熱く語るので、どんなところが好きなのか聞いてみたら――

「声と笑い方だよ!」

…声と笑い方?

カレンデリア

「カレンデリアのご飯が食べたい」と夫のリクエストで、この滞在中はじめてのカレンデリアへ行った。

二人だけの頃は安いので自炊かカレンデリアで食べるのが日常だったけれど、娘がいるとどうしても食べられるものが限られてくるので、避けがちだった。

隣のチキン屋さんで子どもたち用にグリルチキンを買い、大人用のおかずはカレンデリアで調達して、夫の実家へ。

はじめて食べたのが 「Pares」。
長時間煮込んだ牛肉スープで、ブラロとはまた違い、とろみがあってコク深い味わい。
美味しかったので、いつか作り方を教わりたい。

2人でマーケットへ

娘を義母に預けて、夫とマーケットデートへ出かけた。

目的は「お土産探し」。
制限時間は2時間。

お土産はマーケットとスーパーで買うのが私の定番だ。

久々のマーケットにワクワクする。
留学中、語学学校の先生に「バギオで一番好きな場所は?」と聞かれたとき、みんなが観光地の名前を挙げるなかで一人「マーケット」と答えたら、不思議な顔をされた記憶がある。

果物や野菜、肉や魚、かごバッグに箒、日用品や雑貨まで――ありとあらゆるものが所狭しと並べられ、混沌としている。その中を買い物袋を抱えてせわしなく歩く人々、タンクトップで荷車を押して商品を運ぶ若い男性、笑い声や値切り交渉が飛び交う。活気に満ちていて、歩いているだけでエネルギーをもらえる場所だ。

娘が一緒だとどうしてもゆっくり見て回れないので、絶対に夫と二人で来たかった。娘を預かってくれた義母に感謝しつつ、好きなところを好きなだけ歩き回る自由を満喫。

イチゴジャム、ピーナツバター、ウベジャム、ワイン、コーヒー豆に、自分用のお土産としてmade in イフガオの木彫りをいくつか購入した。

▼美味しかったワイン。ワインと書いてあるけどリキュール?チョコレートを購入

▼お気に入りのコーヒー豆店。この日も列ができていた

2時間をめいっぱい使って17時に帰宅すると、義母が笑いながら報告してくれた。
「娘ちゃん、めちゃくちゃ食べてたよ。チキン2つに、ビナクレ3つ、それにビスケットも3枚!」

Volante―友人、先生との再会

娘を引き取って、セッションロードにある「Volante」へ向かった。大好きなイタリアンのお店。

そこには、私が語学学校でお世話になった先生と、夫の大学時代のバッチメイトたちが来てくれた。

先生と夫の友人は面識がない。
もともとはこの日、夫のバッチメイトとはランチ、私の先生とはディナーの予定だった。ところがちょっとした行き違いで、どちらも「ディナー」の約束になってしまっていたらしい。

結果的に、全員一緒に食事をすることになった。
こういうハプニングも自然に受け入れられるのがフィリピンの良さだと思う。

8/14 7日目 〜観光、先生との再会、家族との食事〜

Kape taku!

朝、イフガオの叔母と甥っ子がホテルまで会いに来てくれ、みんなでテラスでコーヒーを飲んだ。

この日、娘(4)の遊び相手は姪っ子(2)。
言葉が通じないせいか基本的に仲が悪く(笑)、この日もお気に入りのエルサの風船を姪っ子に割られて泣いていた。

朝昼晩を問わず「Kape taku!(イロカノ語で“Let’s have cofee!”)」のひと言でみんなが集まる――そんなコーヒータイムは、私の大好きなフィリピン文化のひとつ。

たとえ深刻な問題の最中であっても、誰かが「Kape」と声をかければ「いったん一息つこうか」となる。

この日は、バギオで私が一番好きなパンデサルショップで夫が買ってきてくれた。

1個2ペソという値段は変わらず、サイズは気持ち小さくなった気がする。
バギオにいた頃は、よく早朝6時過ぎにバイクで夫の後ろに乗せてもらって買いに行っていた。いたってシンプルな“ただのパン”なのに、ホッとする素朴な味わい。

▼このMULAWINというお店。

Eco Park

それからみんなでエコパークへ行った。

入園料ひとり100ペソを払うと、手にスタンプを押される。
園内は森や草花、竹林に囲まれた遊歩道が続き、頂上のビュースポットからはカラフルなバギオの家々を見下ろせる。
小さな子どもでも歩きやすい道幅で、いかにもフィリピン人ウケしそうな、あちこちに“映え”を意識したフォトスポットも。

平日の午前中だったからか、ほぼ貸切状態で楽しめた。

Good Taste

ランチはみんなでGood Tasteへ。
義母がご馳走してくれた。大人5人、子ども2人でファミリーパックを注文。ボリューム満点。キューカンバ―ジュースもすき。

PureGold

そのあと私のリクエストでPureGold(地元のスーパー)へ。
お土産を追加で買いたかったのだ。

sunsilkのシャンプー、KOPIKOコーヒー、そしてパパイヤ石鹸。バラマキ用と自分用に大量購入。

最終日にお土産のことを考えたくないから、早めに来られてよかった。
時間が押していてゆっくり回れなかったのだけが残念。

Hiraya Cafe―先生との再会

午後は、語学学校でお世話になったもう一人の先生と再会した。彼女の希望で「Hiraya Cafe」へ。

彼女は初めて語学学校で仲良くなった先生で、当時はクリスマスシーズンに一緒にGood Tasteへ行った思い出もある。

夫と付き合い始めた頃で、義実家の手桶式トイレの使い方を夫に聞けず、先生に相談したのも懐かしい(笑)

当時、彼女の旦那さんは日本へ出稼ぎに行ったばかりだった。
それからお互いに子どもが生まれ、今は母親同士。育児の悩みは万国共通で、つい盛り上がってしまった。
(Hiraya Cafe、飲み物が美味しかった。リピートあり。)

義家族食事会

夜は義父サイドの食事会に招かれた。

前回はレストランに50人、今回は義父の家に30人―はいたと思う。

忘れていた、この規模感…。

日本からのお土産がまったく足りず、申し訳ない気持ちになった。

家に入る前、夫から「Try to remember their name and face, okay?(顔と名前を覚える努力をしてね)」と耳打ちされたけど……ごめん、無理(笑)。
一応努力はしたが、途中からモヒートのストレートで記憶が怪しくなった。

娘のことを年の近い親戚たちがたくさん可愛がってくれて、とても嬉しかった。

▼手作りのおかずが全部美味しい。ローランドの人たちはみんな料理が上手

8/15 8日目 〜近所散策、友人との再会、スパ〜

Gotoの店

最終日の朝は、散歩に出かけた。 たまたま通りかかったGoto(フィリピン風のとろみのある内臓入りお粥)の店で朝食をとることに。

▼エコパーク近くのこの店。目立たないが人気で、朝から混んでいた

これが大当たり。 朝イチだからか、ルンピアも揚げたてサクサクでとても美味しい。 露店に抵抗なく、ガタガタのプラスチック椅子にちょこんと座り、通行人に見られながらもおいしそうに食べている娘を見て、「逞しくなったなあ」としみじみ思った。

会計のとき、夫がついでに隣で食べていた親子の分まで支払っていた。 お母さんが「ありがとう」と一言。 夫と一緒にいるとこういうことがたまに起こる。さりげなく、押しつけがましくないから、してもらった方も気を使いすぎずに受け取れる。私にはできないその感じが、いいなと思う。

イナサルをデリバリー

私たちの結婚式にも来てくれた日本人の友人が、忙しい仕事の合間を縫ってアパートまで来てくれた。 今回は会えないかと思っていたので、本当に嬉しい。

フィリピン人の友達が差し入れてくれたおやつ「Kutsinta(クチンタ)」をはじめて食べた。 お餅のようで、これ自体にはそれほど味がない。キャラメルソースをかけていただく。これがコーヒーによく合って美味しかった。

nest coffee

午後、15時から17時にかけて雨が降っていたが、残りの時間を惜しむようにレインコートを着て、あてもなく散歩に出た。

肩車で私の前を行く夫と娘の背中を眺めながら、 「次はいつ来られるだろう」と、急にしんみりした気持ちになる。

夫について歩いていくと、着いたのは nest coffee。

「かわけんさんのカフェだ!」 来てみたかった場所が、突然目の前に現れて嬉しくなった。

店員さんおすすめのスパニッシュラテを注文。 目の前で一杯ずつ丁寧に淹れてくれるので、待ち時間すら楽しい。

「かわけんさん、ここで奮闘していたんだなあ」と思うと嬉しくなり、思わず連絡をしてしまった。

Sparadise

最後の夜。

そうしたくはないのに、時計ばかり気になってしまう。

最後のワガママでまた娘を義母に預け、夫がどうしても行きたいというお気に入りのマッサージ店「Sparadise」へ。

全身マッサージ90分で550ペソ。
ドライかオイルを選べるのだが、私は一度オイルマッサージで「90分間くすぐったさに耐える拷問」を味わって以来トラウマがあるので(笑)、迷わずドライを選んだ。

「時間もないし60分にしよう」と言った私に、「どうしても90分」と譲らない夫。

結果、90分にして大正解だった。
その名の通り、まさにパラダイス。

施術を受けながら、今回の旅のこと、帰国してからの過ごし方、これからの家族のこと…色々なことを考えた。

終わったあとはサービスのお茶を飲みながらアンケートを記入。用意された封筒にチップを入れるシステムだ。

「いくら渡せばいいの?」
「いくらでもいいよ」
「そうだけど、相場は?」
「気持ちなんだから、本当にいくらでも構わないよ」

結局100ペソ入れた。多いのか少ないのかは分からない。

計画していたわけではないけれど、旅の最後にSparadiseを持ってきたのは最高の選択だった。ありがとう、夫!

幸せのおすそ分けをしたくて、帰りのタクシーで116ペソのところを200ペソ渡し、「Please just take it because we’re happy.」と言ったら、どうやら伝わらなかったらしく(笑)、運転手から「細かいお釣りがないんだけど、6ペソ持ってない?」と聞かれた。

1ペソもごまかさない、真面目で有名なバギオのドライバー。
夫が「It’s okay, Kuya.」と言うと、運転手は無言で受け取った。

バンのトラブル回避 ⇒ 21:30出発!

21時ちょうど、義父が大きなバンで迎えに来てくれた。

「ああ、よかった」

駐車場に到着した車を見て、ようやく安堵のため息が出た。

実は前日の夜、予定していたバンが急に使えなくなるという緊急事態が発生していたのだ。
行きと同じく、レンタカービジネスを始めた友人のバンを借りる予定だったが、前日になって「長期契約を結んでくれる顧客が現れたから、明日から使わせてほしい」とキャンセルを求められた。

契約書もなく、善意だけで成り立つ国だからこそ起こる出来事。
滞在中、ほぼ毎日半額以下で使わせてもらっていたので文句は言えなかった。

「そんな…もし帰れなくなったらどうするの?」とヒステリックになる日本人妻と、
「大丈夫、なんとかなるよ」と全く動じないフィリピン人夫。

「なんで大丈夫って言えるの?明日だよ?」
「大丈夫。パパが代わりのバンを探してる」
「空港行きのバスで行こう。チケットは当日買えるの?」
「落ち着いて。バスは最終手段にしよう」
「もう最終手段を考えるタイミングでしょ」
「絶対に見つかるから大丈夫だって」

こういうときの根拠のない自信は、夫と長く一緒にいても理解できない。

しかし結局、私の知らないうちに本当に代わりのバンが手配されていた。
義父、義母、義妹、姪っ子、そして運転要員の親戚のクヤまで、深夜の移動にも関わらずみんなが空港まで同行してくれた。

8/16 9日目 〜移動〜

1:30am 空港到着
2:00am チェックイン
4:50am クラーク発
10:30am 成田到着

1週間前、胸をワクワクさせながら北上したマルコスハイウェイを、今度は込み上げる寂しさとともに下っていく。
途中、コンビニなどに寄りながら、3〜4時間かけてクラークへ到着。

別れ際、やっぱり涙が出た。

夫が日本に来たとき。
初めて義家族が来日したとき。
前回、私たちがフィリピンを訪れたとき。
そのどれも、家族全員が涙を流しながらハグをした。

でも今回は、涙を流したのは私だけだった。
みんな、前に進んでいる。
その中で、私だけが何も変わっていないような気がした。

それはきっと、ここ数年、忙しさを言い訳にしながら真正面から向き合うことを避けてきた、自分自身への気づきでもあった。

総括(メモ)

空港駐車場

・USAパーキング
・ネット予約
・9日間 7,150円
・コスパ良し、サービス良し
・スムーズ◎リピートしたい
・行き:受付所要時間10〜30分 ⇒ バスで空港へ
・帰り:荷物検査後に営業所に電話を入れ、迎えのバスに乗る

飛行機

・セブパシフィック
・4歳子連れ、4時間前到着(余裕ありすぎるくらいでちょうどいい)
・預け入れ荷物は20kg/人(合算可能)
・中のレストラン うどん単品1700yen〜(機内食のほうがコスパいいか?)
・機内対策でおもちゃ(タッチペン図鑑)用意。効果なし。グズるときはグズる
・個人的にはZipairより好み

e-Travel

・事前登録は自分で確認すべし
・QRコードをスクショして持ち歩く
・行きはチェックあり。帰りは登録したけどチェックなし

気候・服装(雨季)

・8月 17~23℃
・朝晩冷え込む。昼は暑い。半袖+羽織りもの必須
・ウルトラライトダウンまでは要らない(12月は要る)
・雨傘、レインコート必須。子どもは長靴も
・朝は大体晴れ、午後14時以降しっかりとした雨か、スコール

お金

・10,000yen ⇒ 3,820ペソ
・市場で両替え

お土産(日本⇒フィリピン)

・コストコでお菓子箱買い ⇒ 小分けにしてジプロックで大量セットがよさそう(スーツケースに詰めやすい+配りやすい)
・バラまき用雑貨は多めに買っておく
・頼まれたもの、お酒、カップラーメン、他
・the・日本土産で人気なお菓子(東京バナナ、ひよこ、通りもんetc.)は意外とウケない。フィリピン人が好きそうなものを夫に選んでもらうのが吉。(日本といえば抹茶なんだから!らしい。私的には、それうまいか?っていう)

 

バギオ、また会う日まで。