やみつき塩キャベツを食べると、娘がまだお腹にいた頃の記憶が蘇る。
(Twitterでは報告したけど、昨年末に娘を出産しました)
バギオで妊娠がわかったとき、もっとも辛かったことのひとつが
自分の身体が、フィリピン料理を一切受け付けなくなったこと。
その時のバギオは絶賛コロナ禍で、外出できるのは週に2回、必要最低限の用事のみ。
外食はできないので、毎日家の前のサリサリストアで食材を買って、3食自炊する日々を送っていた。
だけど、つわりが始まって、何を食べても美味しく感じられなくなった。(妊娠して味覚が変わる、というのはよくあることらしい)
フィリピンにいながら、とにかく身体がフィリピン料理以外の味を欲してた。
辛い、というよりは、めちゃくちゃ悲しくなった。
味覚がこのまま戻らなかったらどうしようって。
それでもお腹は空く。
そんな時、夫にお願いして立ち寄った、PINES横の韓国食材店。
実は、韓国食材は高いので一度も利用したことがなかったのだけど、ロックダウンとつわりによる体調不良でメンタルまでやられていた私にとっては、そこは夢の国だった。
奮発して買った「ごま油」(の、大瓶)で、一番手軽にお腹を満たすことができるのが ”やみつき塩キャベツ” だった。
それ以来、家の冷蔵庫に常備して、暇さえあればバリバリ食べてたなあ。
夫は食べないので、私ひとりで一日キャベツ半玉とか(笑)
▼思い出の味
妊娠発覚から7か月目までバギオで過ごした日々を、日記アプリに記録していた。
当時は、あった出来事をひたすらスマホに打ち込んでいただけだったけど、今読み返してみると、バギオでの妊婦生活が客観的に見えて面白い。
フィリピンで妊娠してみて初めて知ることができた、国際結婚の葛藤(妊娠・出産編)とか、新たな発見、文化の違い。色んなことをリアルタイムで記録してたけど、ここでは今後、バギオやフィリピンのその他地域で妊娠・出産する人の参考になれば、という思いで バギオの産婦人科や妊婦検診 というテーマに絞って、シェアすることにする。
やみつき塩キャベツを食べながら振り返る、バギオの妊婦検診事情。(ほぼ原文ママ)
2020年05月23日(土)
ルソン島ロックダウンによる自宅隔離措置68日目。
外出できるのは週二日、水曜日と土曜日。
水曜日、はじめての妊婦検診で病院に行こうとしたら、まさかの事態。
アパートの駐車場から車が出せない。
ご近所の車が、私たちの車の横にピッタリとくっついて停まっていた。
オーナーが車のカギを持ったまま街に出ていて夕方に戻るとのことで、仕方がないのでこの日は病院行きを断念。
このアパートに1年弱住んだけど、車が出せないから外出を諦める(一日の予定がパー)このパターン頻繁にあったな。お互いに次回気を付けることもなく、繰り返すのなんでだろ(笑)
というわけで今日、出直した。
この日、天気は大雨。
診察を受けるにも病院のサイトがないので、診てもらえるかどうかは行ってみないとわからない。
一軒目、救急しか受け付けていないと言われ、二軒目 Notre Dame de Chartrres Hospital(ノートルダム総合病院)へ。
コロナ対策で建物の手前に大きなテントが張ってあり、そこで車から降りて受付をするようになっている。
総合病院の受付なのに、産婦人科がやっているかどうかはわからないという。
ドクターの電話番号リストを渡されて、産婦人科医に直接電話して聞くようにだって。
電話するにもロードがないので、一旦病院を出て、近くの売店までロードを買いに行く。
(ロード:ネット経由でプリペイドカードの料金を携帯電話にチャージする。購入しないとネットも電話もできない)
そのロードも売っている店と、売っていない店がある。
ようやくロードを購入して指定の番号に電話をかけると、診察できるのは月曜日だと言われる。
一応予約したけど、うちは月曜日は外出許可されていない。
病院は例外として認められるのか、その辺のルールも曖昧で分からない。
結局、水曜日、土曜日と検診に行けずじまいで、また月曜日にリトライ。
日本て凄い国だなあ、と改めて実感する。
グーグルの検索窓に病院名を入力するだけで、数秒後には「どこの病院の、何科の診察時間は、何時から何時まで」が一目瞭然。
受付に聞けば、その病院に関することならなんでもスタッフが熟知している。
それって当たり前だと思っていたけど、それが当たり前の国が、世界には一体どれだけあるんだろう。
2020年05月27日(水)
パブリックマーケット敷地内にある小さなクリニック Ramos’ pediatric clinic で、はじめての妊婦検診。
(結局、この間紹介されたところはやめて、Facebookで見つけた個人がやってる産婦人科を予約した)
受付を済ませ、体温と体重を測ってから奥の小さな部屋へ通されると、マスクの上からでも人柄の良さが伝わる、やさしい感じの女医さん。
まずは問診で次のようなことを聞かれた。
「最後に生理がきたのはいつ?」
「検査薬で陽性判定が出たのはいつ?」
「どんなふうに具合が悪かった?」
驚いたのは、“So did you see two lines already?” と聞かれたこと。妊娠検査薬での陽性判定のこと、そういうふうに表現するんだ。
検診って、下から何か突っ込まれるのかと思って身構えていたら、洋服すら脱がず、診察台に横になってお腹にエコーゼリーを塗られただけだった。
赤ちゃんの大きさからして8~9週目だろうって。
黒白の画面の中で、心臓が小さく小さく動いているのを見て、なんだか感動して泣きそうになるのをぐっと堪える。
コロナ対策のためなのか、彼は部屋に入れないので、一緒に見られなかったのは残念だったなあ。
そのクリニックの機材でできることは、子宮の中の様子を画面に映し出すだけで、予定日等の詳細が分からないのと、エコー写真の印刷もできないので、後日別のクリニックに行くように言われた。
お金多めに持って行ったけど、診察料は300ペソ(約680円)。
やっとやっとやっと、病院に行って我が子の姿を確認できたのと、お医者さんが優しくて、ホッとして涙が出そうになった。
ビタミン剤と、妊婦用の粉ミルクを処方された。
なるべくミルクを飲んでほしいけど、もし飲めなかったら代わりに薬を飲んでもいいって。
2020年06月10日(水)
そういえば、バギオは6月1日からMGCQという体制に変わって、ECQのときに比べたらだいぶ規制が緩和された。
それでも老人、子ども、妊婦は原則外出禁止ということになっているから、私も必要最低限のみ。
前回紹介された、セッションロードにあるクリニック SESSION DIAGNOSTIC CENTER へ。
彼が中に入れないということで、病院の入り口から私一人で行った。
二階にあがると、女医さんが三人に、患者はゼロ。
「どうされました?」
「えっと、、、Can I have ultrasound?」
(伝わらなかったらしく)
“What do you want to do?”
「妊娠していて、前に違うクリニックに行ったんだけど、そこでは予定日とかがわからなくて… そこの先生に、ここを紹介されてきました」
「ああ、オッケー。そこ座って」
受付で、氏名と年齢のみ記入。
問診は一切なく部屋に通されたと思えば、いきなり診察台に横になるよう言われる。
気さくな看護師さんと少し話をしながら(ここにきた経緯とか、彼氏はフィリピーノかとか、私はフィリピンで何してるとか)
あっという間にはじめての超音波検査が終了。
画面にエコーが映し出されるのとほぼ同時に、週数や予定日が表示された。(意外とちゃんとした機械あるんだな!)
「次はいつ来たらいい?」
「二週間後でも、四週間後でも、撮りたいときにいつでも来ていいわよ。」
受診料として650ペソ(約1400円)を支払って終了。
こんなに簡単なんだ… というのが正直な感想。
名前と年齢以外何も聞かれずに超音波検査できたことにびっくり。
そして、小さなクリニックだったけど、思ったより最新テクノロジー(?)だった。
ひとりで不安だったけど、前回同様お医者さんが優しくて、私が外国人だと分かると私にも理解できるような簡単な英語で話してくれたから、困ることはなかった。
忘れてたけど、結構手探り状態だったんだな。(笑)
次回は、
・検診2回目
・採尿~採血
・SMで貧血を起こした話
についてシェアします。