お盆休みを使って、
義母にとっては人生初の海外旅行だ。
過去に10年パスポートを作ったが、
もともとは、
渡航に必要な手続きがわかったところで、
段取る側の苦労というのは、なかなかわからないのだろう。
この時ばかりはさすがに夫に対して不満をぶつけたが、後になって考えてみれば、
ところで家の建て替えの話は半年前くらいから聞いていたが、
フィリピンでこの手のことはよくあるので、
4月後半、「
想定内だ。
2019年に夫がはじめて日本にきたのもゴールデンウィークで、
次のチャンスは8月の夏休みか。
その時期の関東地方は猛暑。義母の住むバギオは通年20度前後と
真夏の日本は本当におすすめしないと何度も念押ししたが、
ビザ申請のための書類集めには2か月ほどかかった。
義母の出生証明書が印刷不明瞭で文字が読めない。追加書類として「洗礼証明書」と「高校の成績証明書」の2つがが必要だった。義母はイフガオ出身で、結婚してからバギオにきたから、成績証明書はイフガオに取りに戻らなければならなかった。
その他の書類も、印刷不明瞭なものに関しては補足で追加書類の提出を求められた。
出生証明書に関しては、内容が変わらないのになぜ3カ月以内に発行したものでなければいけないのか、というそもそもの部分が理解してもらえず(こっちとしては「しらない。ジャパニーズルールだから」と言うしかないのだが)発行日が書いてないのだからこれで大丈夫なはずだと言うので「どうせバレるよ」などとぶつくさ言いながら出されたものを提出すると、バーコード読み取りで発行日が判り即ハネられた。
フィリピン人が日本に渡航するためのビザ申請は、日本の公的機関が指定するエージェントを通すことになってい
夫が配偶者ビザを取得したときと同じエージェントを使い、
直前に、フィリピン人夫をもつ日本の友人が、
後から聞いた話、彼女たちの場合は義家族総勢7名分のビザの申請
入国に必要な書類も無事に揃い、
「フィリピンを出るのにAOS(Affidavit of Support)という書類が必要らしい」
4年前にも夫を観光ビザで招待したが、
「そんなの聞いたことない。誰が言ってるの?」
「Facebookでみた」
最初は相手にしなかったが、
やはり誰もフィリピンの出国時にそのような書類が必要であること
調べていくうちに、どうやらAOSというのはコロナ禍で新たにで
実際に提示を求められるかどうかは職員の裁量によるが、AOSが
準備は念入りにするに越したことはないと、
が、日本に住む私たちがAOSを用意する方法はひとつ。
この時点で来日まで二週間を切っていたので、
税関で、たまたま担当職員の気が向いてAOSの提示を求められた
「それがフィリピンという国と付き合うことだ」と割り切って、
渡航当日の早朝、無事にフィリピンの出国審査を通過したとの連絡があり、
結局、AOSの提示を求められることはなかったらしい。
ダニエル「代わりに勤務先の雇用契約書とIDを確認されたらしい
コノミ「持ってたの?」
ダニエル「あるものはすべて持ってけって先に言っておいたから。
コノミ「す、すごい…」
ダニエル「コノミが100万回言ってたe-Travelは結局必
この手のことで夫に感謝したのは初めてだ。
朝早くに家を出て、電車を乗り継ぎ、
コ「ねえ、SIMカード買ったよね?
ダ「何を心配しているの?」
コ「だって初めての海外旅行だから」
ダ「SIMカードなんてフィリピンで日常的に使ってるんだから大丈
こんなやりとりをしているうちにスマホが鳴り「入国審査が終わって
ビザの申請から始まり、バギオからマニラへの長距離移動、
フィリピンでは夫が父親代わり。家族の面倒は夫がみていたし、
▼ゲート付近でソワソワしている夫
待ちくたびれた娘が空港内を駆け回り始めた頃、ゲートが開き、
抱き合って再会を喜ぶ三人。色々な想いが込み上げてきたが、
孫に会わせるのに2年8ヶ月もかかってしまったが、義母の嬉しそうな顔をみて、大変だったビザ申請の苦労が一気に報われた気がした。